オリーブの木を植える
• 牧師・浅 田 容 子
オリーブの木を植える
ルカ福音書13:29
「そ して人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く。」(ルカ福音書13:29) 10月3日(第1日曜日)に世界の教会と共に「世界聖餐日」を迎えます。また、この日は日本キリスト教団では「世界宣教の日」と定められており、教団派遣 宣教師(約30名)とその働きを覚え、「世界宣教を共に担う契約」を新たにする日なのです。2004年度の宣教師活動報告パンフレット「共に仕えるため に」が発行され、NYにも送られてまいりました。さらに今年は「信徒の友」誌10月号の「日毎の糧」(祈りの日課)欄で、宣教師とその働きのために祈るこ とになりました!信徒の皆様が祈りによって世界宣教を支えてくださる事は素晴らしい事です。「体は一つ、霊は一つです。・・・主は一人、信仰は一つ、洗礼 は一つ、すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。」(エフェソの信 徒への手紙4:5-6)9月13日(月)と14日(火)に私は初めて「国連」で開かれた「パレスチナ支援国際会議(United Nations International Conference of Civil Society in Support of The Palestinian People)」 にNGOのメソジスト教派グループ(Methodist Federation for Social Action)に入れてもらって出席し、多くを学ぶことが出来ました。(レシーバーで英語への通訳を聞いている所)NYにいるおかげで貴重な経験を与えら れ感謝しました!現在、混乱と泥沼化しているイスラエルとパレスチナ問題に対して世界から、「正義と平和」のためにパレスチナを支援している人々が集まっ た国際会議です。世界の多くの国から、弁護士、医師、教育者、社会事業家、宗教代表者、報道関係者などの専門家たちによる報告・発題が様々な分野から詳し くなされました。私は初めてNGOの働きの大きさを知りました。さらに、キリスト教会のNGOグループも大きな貢献をしている事に感心しました。特に、ア メリカ長老教会が今年の「教団総会」で決定したパレスチナを支援するための「決議事項(The Presbyterian Church (U.S.A.) Action on Divestment)」を私は知らなかったので教会の行動力に感服しました。内容を一言で言えば、「パレスチナを支援するために、教会が持っている株や 投資財産でイスラエルを支援している会社のものは廃止しよう!」というイスラエル支援会社株のボイコットです。アメリカ長老教会と長年良い関係を持ってき たのにこの決定は納得できないと、アメリカのユダヤ社会からの反対が上がっています。それにしても教会(教派全体も各個教会も)が社会に影響を与えるほど の経済力も持っている事は日本では考えられない事です。(長老教会の声明文は英語欄に紹介)今、世界の教会で一番苦しんでいるのがパレスチナのアラブ・キ リスト教会です。「自分たちの土地である」と聖地に乗り込んできたユダヤ人に、何世紀も先祖代々住んできた土地を奪われたパレスチナの人々は、キャンプに 押し込められ、町の周囲には高い隔ての壁が立てめぐらされ、一日30分だけ開くチェックポイントを通過しなければ町に出入りできない状態で制限は厳しくな る一方です。多くの教会が人々を励まして、暗黒の中でキリストへの強い信仰に立って「平和」への道を探っています。ユダヤ教徒もパレスチナ・クリスチャン もイスラム教徒も隣人として平和に共存できる日が来るようにどのような協力が出来るでしょうか?ベツレヘムのルーテル教会牧師:ミトリ・ラハブ牧師 (Rev. Mitri Raheb)は, 近著「Bethlehem Besieged—Stories of Hope in Times of Trouble」の最終章「Building Walls or Planting Olive Trees?」で、「世界が明日滅びるとしても、今日我々は我々の庭に地域に、オリーブの木を植えます。もし我々が木を植えなければ、明日は何もないで しょう。でも今日我々が木を植えたら、子供たちが遊ぶ木陰が生まれ、オリーブ油が傷を癒し、平和が訪れた時我々はオリーブの枝々を打ち振るでしょう。」 (P.157)」と述べています。「世界聖餐日」に世界のクリスチャンたちがお互いに反感を持って聖餐に与っているのなら、イエス様の和解の十字架の意味 がわかっていない事になります。復活のキリストが聖餐台の中央から、全ての人々を招いて居られます。「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つ のものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分におい て一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。」(エフェソの信 徒への手紙2:14-16)さあ、「伝道の秋」です!伝道の先頭に立ち給うキリストに従い、この世界に出て行って、平和のオリーブの木を植え、癒しと和解 を携えて参りましょう!今日の伝道とは「和解と癒し」をもたらす事です。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるよ うに、収穫の主に願いなさい。」(マタイ福音書9:38)